カブで逝く2泊3日の限界京都旅行
そうだ、京都行こう
愛知に引っ越してきて4年、そう思いながらも行動に移すことができていなかったが、2泊3日で京都に行ってきた。
単純に観光したい、お寺にお礼参りに行きたい、町屋に泊まってみたい、など理由は様々あったが、一番の理由は平泉ナンバーの原付で京都市内走り回ったら楽しそうというしょうもない思い付きだった。
目次
0日目
京都まで移動するだけで相当時間がかかるため、行きは金曜日に仕事が終わり次第仮眠とって23時くらいに出発、琵琶湖の湖畔でキャンプできるらしいので帰りはキャンプしつつのんびり帰る計画を立てた。
一応ソロ用のテントは持っているが、テント装備だとかさばるため、前から興味があったハンモック泊をやってみることにした。
向かえた金曜日、定時に仕事を終わらせ、念のためエンジンオイルを交換してガソリンを満タンにして、あとは仮眠とって万全の体調で向かうだけ
のはずだったが、ワクワクして眠れないという遠足前の小学生ムーブをかましてしまったため、直前まで名所やら名物やら調べてそのまま23時前くらいに出発した。
届いたキャンプギアを見ながら、夜は星空を見ながら眠りにつき、翌朝は陽の光で目覚めて琵琶湖を眺めながらコーヒーを飲む…帰りはそんなキャンプができると思い、無邪気に心躍らせていた。届いた時点では天気予報は晴れのち曇りだった。傘のアイコンなんてなかった。なかったんだ......
1日目
往路
自分が住んでいる愛知県刈谷市から京都府の京都駅周辺までの距離は約150km、原付の制限速度だと、所要時間は休憩時間なしで6時間弱ほどとなる。
夜中の2時か3時くらいに三重から滋賀の県境をまたいだが、この辺りは標高が高いため気温が低く、半袖シャツにライジャケ一枚という装備ではなかなかつらかった。夏本番までは夜はしっかり防寒対策しないとダメだね…
その後、周りが明るくなるくらいの時間に琵琶湖にかかる近衛大橋を渡った。明るくなっていく空と琵琶湖の組み合わせは美しかったが、徹夜明けで意識が虚無になっていたため写真も撮らずスルーした。
観光
伏見大社
5時ちょい前くらいに最初の目的地である伏見大社に到着した。ケツは無事に破壊された。
早い時間ならほとんど人もいないだろうから、例の鳥居をじっくり見れるだろうと予想していたが、思惑通りの結果となった。
千本鳥居は灯篭とかがついててきれいで神秘的な感じのイメージがあったが、早朝に見る実物は異様な光景で、恐怖を感じた。
異界感たっぷりで怖かったが、通行帯が決まっていることを知って少し現実に引き戻される。
清水寺
伏見大社をある程度満喫して、すぐに次の目的地である清水寺に向かった。
こちらも日中の混み具合がえぐいため、なるべく人が少ない時間に例の舞台を見たかったので、開門直後の6時くらいにお邪魔した。
境内散歩してたらアテルイとモレ(キモオタの一人称ではない)の碑があった。
なんで岩手の水沢らへんでよく見る名前がこんなところにあるのかと思って調べると、
大昔に蝦夷(今の東北のあたり)侵略の際に、蝦夷のリーダーであるアテルイを打ち倒したのが坂上田村麻呂で、清水寺を建立したのも田村麻呂だったそうで。
詳しい経緯は隣にあった顕彰碑に書いてあったけど、奥州と京都の縁って義経くらいしかないもんだと思ってたのでちょっと関心をもった。
水曜どうでしょうロケ地巡り~金閣寺、嵐山~
ホントは清水寺の後鞍馬寺にいきたかったのだが、仮眠なしの徹夜明けで体力が終わっていたので予定を変更して水曜どうでしょうのロケ地巡りを行った。鞍馬寺は体力回復させて翌日行くぞ。
最初に向かったのが金閣寺。
原付の旅西日本編で、京都を旅行する番組のロケだと騙されていた大泉さんが本当の企画を知らされて度肝を抜かされるシーンである。
残念ながら同じところにカブを停めることはできなかった。
一応この写真さえ撮れればよかったのだが、折角なのでキンピカ寺拝んでいくことにした。
続いて嵐山。
同じく原付の旅西日本編で企画の冒頭を撮影した、渡月橋付近の河川敷でほぼ同じ構図で写真を撮った。
金閣寺もそうだったが、有名どころの観光スポットは遠足の高校生が大挙して押し寄せており、落ち着いてゆっくり回れる感じではなかった。
他にやることもないので、次の目的地に向かうことにした。
鈴虫寺
嵐山から南下したあたりにあるお寺で、1年中鈴虫が鳴いている。
ここは訪れるとまず写経場のような場所に案内され、お坊さんのお話を聞いたのちにお守りを購入し、門のあたりにいらっしゃるお地蔵様に願い事をすふという参拝の流れが決まっている。
が、訪れたのが6/4(ムシの日)ということで、ちょうど寺で飼っていた鈴虫の法要が行われていたため門の外で30分ほどの待ちが発生した。
一般的にお寺や神社で願い事をする場合は度々通う必要があるらしいが、このお寺の門にいるお地蔵様は草履を履いているため、自分の住所と願い事を託すと願いをかなえに歩いてきてくださるという言い伝えがある。そのため、休日はえらく混雑するそうだ。
実は高校の修学旅行で一度訪れていて、その時の願い事に対するお礼参りを兼ねて新しいお願い事をしてきた。断じて大泉さんが藤村Dにスズムシといわれているから来たわけではない。
昼飯~宿
昼はラーメンを食べた。京都の大学を出た会社の同期に教えてもらったお店で、キリっとした醤油ラーメンだった。
昼飯の後は錦市場に移動し、地酒と漬物を購入して早々に宿に向かった。
宿は改装した町屋をそのまま貸し出すスタイルのところのお世話になった。
あまり広さはなく、ちょっとした音が響くのでそれなりに気を使ったが、とても落ち着くいい部屋だった。
近くに昔ながらの銭湯があるというので行ってみた。
銭湯自体初めてだったが、雰囲気もお湯もよく、徹夜明けで走って観光した疲れを癒すことができた。京都に来るときは町屋とセットでまたお世話になりたい。
宿に帰還後、買ってきた漬物と地酒で無事優勝と相成った。
地酒を飲み切ってから寝るつもりだったが、徹夜明けだったため半分ほど飲んだところで強烈な眠気に襲われ、21時頃には完全に意識を刈り取られた。
2日目
起床~鴨川散歩
徹夜明け+飲酒+町屋の居心地の良さ
これによって何が起こるのか
答えは簡単、寝坊である。チェックアウト30分前の起床となった。
鞍馬寺観光の予定は消滅した。
宿を出て先斗町のバイク駐輪場にカブを預け、鴨川周辺を散策した。
しばらく歩いていったら弁慶と義経の像があった。
五条大橋での戦いを表現したものだが、思っていたよりかなりかわいらしい像だった。
ここまで歩いて満足したため、錦市場へ向かった後家族へのお土産として季節の漬物セットを、ラーメン屋情報を展開してくれた同期にオリーブの出汁漬けを購入した。
昼食
時間もいい頃合いになったので昼食を食べに一条寺エリアに向かった。
このエリアはラーメン激戦区らしく、昼時になるとところどころで行列が見られた。
目当てのお店は並ぶのではなく、整理券を受け取った後指定された時間に再度来るように指示を受けた。合計の待ち時間は50分ほどとなった。
この店をお勧めしてくれた同期曰く、スープが濃厚すぎてラーメンというよりシチューとのことだったが、ほんとにシチューみたいな濃厚さだった。行儀悪いからやらなかったが、多分麺をほぐしたらレンゲ刺さると思う。
脂耐性が落ちていたため完飲はできなかったが、とてもおいしかった。
帰り道は叡山鉄道で戻ったが、駅の雰囲気といい路線といい、地域の生活にがっつり根付いてる感じがあってとてもよかった。
駅だけじゃなく、周囲の建物が全体的にレトロな雰囲気を纏っていて、どこか懐かしい感じがした。
鴨川デルタ、本能寺
次の目的地の和菓子屋さんが鴨川デルタの近くだったので、折角なので見てみることにした。
和菓子買ってから降りてきてそこで食べようと思ったが、思ったより人が多かったのでやめておいた。
和菓子屋さんはこのすぐ近くにあったが、こちらも並んでいて購入まで30分ほどかかった。
ここをお勧めしてくれた情報提供者曰くおはぎが絶品ということだったが、売ってなかったので季節を感じるお菓子を数点購入して移動した。
その後駐輪場に戻る前に、近くにあった本能寺に立ち寄ってから京都を後にした。有名なお寺なのに街中にあってびっくりした。
野営
京都を出て2,3時間、琵琶湖の湖畔にある公園にたどり着いた。
琵琶湖湖畔はキャンプ利用が許可されている場所があり、予約も料金も不要で気軽に利用できる。
しばらく歩き回って、木に囲まれて周りから見づらい場所に拠点を設営した。
ハンモックの設営は楽だったが、ロープワークできないのでタープ設営でえらく時間をとってしまった。
晩酌を終え買っておいた和菓子を食べきってから消灯した。
消灯して間もなく、雨が降ってきた。クソが
おかげで雨水がハンモックのロープを伝ってダウンシュラフに直撃し、気温が低かったため背中が冷え、タープにあたる雨の音がうるさいという3コンボでなかなか寝付けなかった。
次回以降対策を考えるか、真夏の晴れた日限定使用にしていく必要を感じた。
3日目
帰路
結局眠れないまま朝を迎え、軽めの朝食をとった後雨が弱くなったタイミングで撤収して帰路についた。
ナビアプリに従った結果、滋賀から三重に抜ける際に強風と雨の中えらい勾配&ヘアピンだらけの峠道を案内されて死にかけた。途中工事のため交互通行の信号機があったが、赤信号に引っかからなかったためウィリーせずに済んだ。
その後さらに2時間ほど走行して愛知県入りし、無事帰宅した。
お昼時の名古屋はそこそこ混んでて交通治安も良くなかったが、京都市内で揉まれた後だったので大して恐怖を感じなかった。ケツは無事に破壊された。
燃費
今回は以下のようになった。
給油1回目:京都入りして間もなく
走行距離:169.9km
給油量:2.2L
燃費:77.9km/L
給油2回目:野営を終えて滋賀を出るタイミング
走行距離:130.7kmkm
給油量:2.2L
燃費:60.0km/L
給油3回目:帰宅直前
走行距離:93.0kmkm
給油量:1.4L
燃費:66.9km/L
合計走行距離:393.6km
平均燃費:67.85km/L
行きは深夜で渋滞が一切なかったため高燃費だったが、京都市内のストップ&ゴーと帰りの渋滞で燃費がかなり落ちてしまった。
それでもガソリン代がだいたい830円くらいで済んでしまったので、やはりカブはお財布に優しい。(なお現地の駐輪場代で1000円近く取られている)
振り返り
今回の旅を振り返ってみて、まず感じたのは写真を思ったほどとっていなかったということだ。
せっかく一眼ぶら下げて行ったのに、あまり撮っていないのでブログとしてまとめるときに少し苦労した。
個人的には一番撮ってなくて後悔したのは宿だった。夜になると通りに明かりがついて非常にいい感じだったのだが、すっかり出来上がっていたため撮影どころではなかった。
それから、京都市内の移動手段として原付二種が最強だと感じた。
市内をまっすぐ走るだけなら50ccでもそんなに不便ではなかったが、片側3車線で二段階右折を強要される交差点が多かった。
いつもなら直進でやり過ごした後テキトーに3回左折することで回避していたが、いたるところに一方通行があるためそれも難しく、同じ道をぐるぐるしたりえらい遠回りするハメになった。
かといって今のカブは手放す気もボアアップする気もないので、二段階右折マスターになるしかなさそうだ。
そんなこんなで京都まで2泊3日で行ってきたが、やり残しや楽しみがまだまだのこっているので、近いうちにまた訪れたい。
その時もカブでケツを破壊するツーリングをするかは、その時次第で。